人にはなぜ承認欲求が必要なのか?
心理学者のA·マズローが提唱する「欲求の5段階説(自己実現理論)」を知っていますか?
私もコーチングの先生に教えていただくまでは聞いたこともありませんでした。
マズローは、人が自己実現するためには、5つの欲求の段階があると説いてます。
この5つの欲求について詳しく説明をしていきます。
マズローの欲求5段階説
マズローの欲求5段階説についていくつか詳しくお伝えいたします。
- 自己実現の欲求
- 承認の欲求
- 社会と愛の欲求
- 安全の欲求
- 生理的欲求
の5つの欲求の段階がある中でも注目しないといけない2つの欲求があります。
その2つが「社会と愛の欲求」と「承認の欲求」の2つです。
【社会と愛の欲求】
まず社会と愛の欲求とは、例でいうと自分が社会に必要とされている。
自分に果たせる社会的役割がある、情緒的な人間関係や他社に受け入れられたいなど、どこかに所属したいなどという欲求のことをいいます。
この欲求も自分におきかえて考えてみると、いろいろ想像できることもあると思います。
誰にでも一度は経験があることだと思います。
この欲求は自分が成長するためにはとても大事な欲求のひとつだと思います。
【承認の欲求】
承認の欲求というのは自分が周りやいろんな集団から価値のある存在だと認められ、尊重されることを求める欲求のことをいいます。
ちなみに説明した2つの「社会と愛の欲求」と「承認の欲求」はどちらも自分一人の力で満たすことができない欲求です。
人と人の関わりができる中で自分の存在を受け入れてもらえたとき、自分の存在を認めてもらえたときに、これらの欲求を満たすことができます。
つまり人が健全な社会生活を送り、自己実現するためには他社から承認されることが必要不可欠であるということです。
褒めることは承認か?
人を育てる上で褒めることは非常に重要なことです。最近は子育てや教育、企業の人材育成、アスリートの育成など、あらゆる場面で「褒めて育てる」という手法がクローズアップされてきています。
そもそも承認というのは「相手を褒めることである」という考えがありますが、それは少し違います。
なぜなら褒めることには条件が必要ですが承認には条件が必要ないからです。
例えば、褒めることには、以下のような条件が必要となります。
- 褒めることは褒める人の主観や基準で行うため、人によっては素直に受け取れない場合がある。
- 褒めることは、その人の良い点を見つけたり、成果を上げなければ褒めることができない。
- 褒めることは、おだてること、お世辞を言うことと、混同してしまうことがある。
いまの例文みたいに褒めることには「誰に」、「何を」、「どのように」といった条件が必要となります。
コーチングで行う承認は、相手の存在そのものを認めることなので特別な条件は必要ありません。
無条件であるからこそ、相手は素直に受け止めることができるのです。
相手の何を承認すればいいのか?
承認は相手を無条件で認めることですが具体的には相手の何をどう認めれば良いのでしょうか?
それについても効果的な3つの承認ポイントをお伝えします。
- 相手の存在を承認する。
- 相手の成長を承認する。
- 相手の成果を承認する。
上記の3つの承認ポイントについて1つずつ詳しく説明していきます。
相手の存在を承認する。
相手の存在を認めるということは、相手に関心があることを伝え「自分はここにいていいんだ」「私は必要とされている」という安心感を与えることです。
具体的な例でいうと、
挨拶をする、名前で呼ぶ、会話をする、相談する、相談に乗る、用事や仕事を任せるなどです。
承認するときは、口先ではなく、心を込めて伝えなければ意味はありません。
例えば、挨拶をするときは相手の方を向き、視線を合わせて行かなければ承認したことにはなりません
相手の成長を承認する
人間っていうのは、自分の変化になかなか気がつかないものです。
周りの人から自分の変化について伝えてもらえることで自分自身の成長を確認することができます。
例えばどういうことかというと、
「会議での発言が多くなった」「以前より半分の時間で仕事ができるようになった」「最近、言動が変わってきた」など、成長を承認することで、人は自己成長を実感することができます。
相手の成長に承認を行うには、普段から相手に関心を持ち、言動なども観察する必要があります。
例でいうと、「髪型が変わった」「笑顔が増えた」などの小さな変化を承認することが重要であります。
目に見える大きな成長のときだけここぞとばかりに承認しても相手から信頼を獲得することはできないのです。
相手の成果を承認する
人は目標を達成したり、問題を解決できたことを他者から賞賛されることで自信を育み、次への目標に向けての意欲が生まれます。
しかし成果を承認することは、大きなことを成し遂げたときだけに行うわけではありません。
例でいうと、
「できなかったことができるようになった」「以前より上手くなった」「最後まで諦めずに取り組めた」「失敗から大事なことを学ぶことができた」などの成果だけでなくプロセスをしっかり承認することで相手に自信を与えたり素材へ活かすリソースに気付かせることができます。
むしろ、その人が成果と感じていないことや、頑張ったけれど成果を出せなかったときにも承認することが重要です。
承認の3つのメッセージ
承認はただ行えば良いと言う訳ではありません。
あなたが承認しているということを相手に正しく受け取ってもらわなければ承認したことにはなりません。
承認には様々な伝え方があります。
相手の素晴らしさをストレートに伝える方法、例でいうと
「元気がいいね」「仕事が丁寧だね」など相手の存在や行動によって自分がどのような影響を受けているのかを相手に伝えることもできます。
他にも「君がいてくれるおかげで心強いよ」「君が成功したことが自分のことのように嬉しいよ」などです。
普段使わないような表現のため、照れくさい面もありますが、だからこそ言葉にして相手に伝えると効果があります。
さいごに
今回の記事では、コーチングでもとても重要視されている承認欲求についてお伝えいたしました。
承認というのは、相手の自己実現に欠かすことのできない重要なコミュニケーションスキルです。
ただ褒めれば良いというものではなく、小手先のテクニックで行うものでもありません。
自分が心から思っているものでなければ、相手には、きちんと伝わらないということを忘れないでください。
他にもコーチング受講することで学んだコーチングにおける考え方や3つの原則について紹介している記事もありますので併せて読んで見てください。
世の中には様々な部分で2:6:2で振り分けられることがたくさんあります。
下記の事を読むことでコーチングでの様々なスキルや法則を学ぶことができます。
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